今回は最強の女性アーティスト、リアーナを特集します。
もはや知らない人はいないと思いますが、これまで出してきたたくさんのヒット曲を聴いて、懐かしさに浸るもよし、新しい発見をするもよし。一人のアーティストの特集なのに、めちゃ長くなってしまったかもです。紹介すべき曲が多すぎる…。
この記事では、2005年のデビュー作『Music of the Sun』から2016年の『ANTI』まで、8枚のスタジオアルバムを1枚ずつ紹介していきます。あわせて、他アーティストへの参加曲や、音楽以外での活躍もまとめました。
Rihanna(リアーナ)って何者?
Rihanna(リアーナ)は、カリブ海の島国バルバドス出身の女性アーティストです。本名はロビン・リアーナ・フェンティ。1988年2月20日、セント・マイケル教区の生まれです。
16歳のとき、地元を訪れていたプロデューサーの前でオーディションを受けたことをきっかけに渡米。当時デフ・ジャムの社長だったJAY-Zの前で歌い、その日のうちに契約が決まったという逸話が残っています。そして2005年、デビューアルバム『Music of the Sun』を発売。収録曲の『Pon de Replay』がいきなり大ヒットしました。
以降の勢いは凄まじく、全米シングルチャートでの1位獲得は通算14曲、グラミー賞は9部門で受賞、全世界での総セールスは2億5,000万枚を超えるとされています。カリブの音楽をポップスに持ち込み、それをアルバムごとに作り変えていく手つきが、この人を唯一無二の存在にしました。
近年は音楽以外での存在感も大きく、化粧品ブランド「Fenty Beauty」やランジェリーの「Savage X Fenty」を成功させ、女性ミュージシャンとして初めてビリオネアとなりました。2021年には母国バルバドスから「国民的英雄(National Hero)」の称号を授与されています。
Rihanna(リアーナ)の人気曲・アルバム
それでは能書きはここまでにして、人気の楽曲やアルバムを紹介していきます。紹介する曲が多いので、必ず聴くべき代表曲には【必聴】マークを付けておきます。
1stアルバム『Music of the Sun』(2005年)
2005年8月リリース、記念すべきデビューアルバムです。全米アルバムチャート10位を記録しました。
当時17歳。ダンスホール・レゲエとR&Bを混ぜたサウンドが軸で、バルバドス出身という出自をそのまま前面に出した作りになっています。後年の彼女を知っていると驚くほど素直なポップスですが、声の存在感はこの時点ですでに完成しています。
収録曲(通常盤)
- Pon de Replay
- Here I Go Again (feat. J-Status)
- If It's Lovin' that You Want
- You Don't Love Me (No, No, No) (feat. Vybz Kartel)
- That La, La, La
- The Last Time
- Willing to Wait
- Music of the Sun
- Let Me
- Rush (feat. Kardinal Offishall)
- There's a Thug in My Life
- Now I Know
Rihanna – Pon de Replay 【必聴】:2005年リリース。当時大ヒットした曲で、クラブではかなりヘビロテされていました。懐かしいですね。デビューアルバムでいきなりヒットさせているところがさすがです。全米シングルチャートでは2位まで上昇しました。
2ndアルバム『A Girl Like Me』(2006年)
2006年4月リリース。デビューからわずか8か月というスピードで発表された2作目で、全米アルバムチャート5位を記録しました。
前作のレゲエ路線を引き継ぎつつ、ダンスポップとバラードの比重が上がっています。『S.O.S.』で初の全米1位を獲得し、『Unfaithful』では歌い上げるバラードも歌えることを示しました。ここで一気に「一発屋ではない」ことを証明した1枚です。
収録曲(通常盤)
- SOS
- Kisses Don't Lie
- Unfaithful
- We Ride
- Dem Haters (feat. Dwane Husbands)
- Final Goodbye
- Break It Off (with Sean Paul)
- Crazy Little Thing Called Love (feat. J-Status)
- Selfish Girl
- P.S. (I'm Still Not Over You)
- A Girl Like Me
- A Million Miles Away
Rihanna – SOS:2006年リリース。初のビルボードNo.1の楽曲です。ソフト・セルの『Tainted Love』をサンプリングした、跳ねるようなトラックが印象的。
Rihanna – Unfaithful:2006年リリース。ネーヨが書いた、罪悪感を歌うピアノ・バラード。全米6位を記録し、彼女のバラード路線を決定づけました。
3rdアルバム『Good Girl Gone Bad』(2007年)
2007年5月リリース。ヒット曲を多数生み出したモンスターアルバムです。全米アルバムチャート2位を記録し、グラミー賞では9部門にノミネート、『Umbrella』が最優秀ラップ/歌唱コラボレーション賞を受賞しました。
タイトルの通り「良い子が悪くなった」という宣言で、髪をショートに切り、サウンドもエレクトロとロック寄りに大きく振れました。プロデューサーにティンバランドやスターゲイトを迎え、レゲエ色を一度捨ててポップスの中心に躍り出た、キャリア最大の転換点です。
なお、翌2008年には未発表曲を追加した再編集盤『Good Girl Gone Bad: Reloaded』が発売され、そこから『Take a Bow』『Disturbia』という2曲の全米1位が生まれています。
収録曲(通常盤)
- Umbrella (feat. Jay-Z)
- Push Up on Me
- Don't Stop the Music
- Breakin' Dishes
- Shut Up and Drive
- Hate That I Love You (feat. Ne-Yo)
- Say It
- Sell Me Candy
- Lemme Get That
- Rehab
- Question Existing
- Good Girl Gone Bad
Rihanna – Umbrella ft. JAY-Z 【必聴】:2007年リリース。ビルボード首位を獲得。懐かしい。めっちゃヒットしてましたね。この曲でリアーナを知ったという人も多いでしょう。第50回グラミー賞で最優秀ラップ/歌唱コラボレーション賞を受賞、さらに最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞の2部門にもノミネートされています。
Rihanna – Don’t Stop The Music 【必聴】:2007年リリース。これまた懐かしい。マイケル・ジャクソン『Wanna Be Startin’ Somethin’』の「ママセ・ママサ」のフレーズを引用した、フロア直結のダンスナンバーです。
Rihanna – Take A Bow:2008年リリース。『Reloaded』からのシングルで、こちらもビルボードNo.1の楽曲です。
Rihanna – Disturbia:2008年リリース。こちらもビルボード首位獲得。不穏なシンセとホラー調のMVで、後の『Rated R』につながる暗さがすでに顔を出しています。
4thアルバム『Rated R』(2009年)
2009年11月リリース。全米アルバムチャート4位を記録しました。
キャリアの中で最も暗く、最も攻撃的な1枚です。ロックやインダストリアルの要素を大胆に取り入れ、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュがギターで参加するなど、ポップスの枠から明確にはみ出しています。
発売当時は賛否が分かれましたが、いま聴くと彼女のアルバムの中でも屈指の完成度。ヒットを狙いにいかず、出したい音を出した作品として再評価が進んでいます。
収録曲(通常盤)
- Mad House
- Wait Your Turn
- Hard (feat. Jeezy)
- Stupid in Love
- Rockstar 101 (feat. Slash)
- Russian Roulette
- Fire Bomb
- Rude Boy
- Photographs (feat. will.i.am)
- G4L
- Te Amo
- Cold Case Love
- The Last Song
Rihanna – Rude Boy:2010年リリース。アルバムの中では珍しくダンスホール色の濃い曲で、全米シングルチャート1位を獲得しました。原色を使ったMVのビジュアルも強烈です。
5thアルバム『Loud』(2010年)
2010年11月リリース。前作からわずか1年というペースで発表され、全米アルバムチャート3位を記録しました。
『Rated R』の暗さから一転、明るくカラフルなポップスに戻ってきた作品です。赤い髪のビジュアルとともに、シングルを次々と当てていきました。全11曲とコンパクトながら、ヒット曲の密度がとにかく高い1枚です。
収録曲(通常盤)
- S&M
- What's My Name? (feat. Drake)
- Cheers (Drink to That)
- Fading
- Only Girl (In the World)
- California King Bed
- Man Down
- Raining Men (feat. Nicki Minaj)
- Complicated
- Skin
- Love the Way You Lie (Part II) (feat. Eminem)
Rihanna – Only Girl (In The World):2010年リリース。全米シングルチャート1位を獲得し、グラミー賞では最優秀ダンス・レコーディング賞を受賞しました。
Rihanna – What’s My Name? ft. Drake:2010年リリース。こちらも全米1位。ドレイクとの相性の良さが早くも証明された1曲です。
Rihanna – Man Down:2011年リリース。ルーツであるレゲエに立ち返った曲で、重いテーマを扱ったMVが議論を呼びました。
Rihanna – Cheers (Drink To That):2011年リリース。アヴリル・ラヴィーンの『I'm with You』をサンプリングした、金曜の夜にぴったりの1曲です。
6thアルバム『Talk That Talk』(2011年)
2011年11月リリース。またも1年間隔での発表で、全米アルバムチャート3位を記録しました。
ダブステップやエレクトロハウスといった当時最先端のダンスサウンドを大胆に取り込んだ作品。カルヴィン・ハリスとの『We Found Love』は世界的な大ヒットとなり、彼女のキャリアを代表する曲のひとつになりました。
収録曲(通常盤)
- You da One
- Where Have You Been
- We Found Love (feat. Calvin Harris)
- Talk That Talk (feat. Jay-Z)
- Cockiness (Love It)
- Birthday Cake
- We All Want Love
- Drunk on Love
- Roc Me Out
- Watch n' Learn
- Farewell
Rihanna – We Found Love ft. Calvin Harris 【必聴】:2011年リリース。ビルボードNo.1を獲得し、10週連続で首位を守りました。彼女にとって最も長く1位に居座った曲です。破滅的な恋愛を描いたMVも大きな話題になりました。
Rihanna – Where Have You Been:2012年リリース。ハウス寄りの高速ビートで、ライブでの盛り上がりも抜群の1曲です。
7thアルバム『Unapologetic』(2012年)
2012年11月リリース。彼女にとって初めて全米アルバムチャート1位を獲得した作品です。
タイトルは「謝らない」という意味。エミネム、フューチャー、デヴィッド・ゲッタら参加陣も幅広く、EDM、トラップ、R&Bバラードが同居しています。7枚目にして初の1位というのも、逆にそれまでの彼女がいかにシングル勝負のアーティストだったかを物語っています。
収録曲(通常盤)
- Phresh Out the Runway
- Diamonds
- Numb (feat. Eminem)
- Pour It Up
- Loveeeeeee Song (feat. Future)
- Jump
- Right Now (feat. David Guetta)
- What Now
- Stay (feat. Mikky Ekko)
- Nobody's Business (feat. Chris Brown)
- Love Without Tragedy / Mother Mary
- Get It Over With
- No Love Allowed
- Lost in Paradise
Rihanna – Diamonds 【必聴】:2012年リリース。ビルボードNo.1を獲得。シーアが書いた曲で、それまでのダンス路線とは違う、ゆったりと歌い上げる構成です。彼女の代表曲として真っ先に挙げられることも多い1曲になりました。
8thアルバム『ANTI』(2016年)
2016年1月リリース。全米アルバムチャート1位を獲得し、現時点では最新のスタジオアルバムです。
ほぼ毎年アルバムを出していた人が、前作から3年以上あけて発表した作品。それまでのようにヒット曲を並べるのではなく、自分の好きな音だけを集めたような、実験的で落ち着いた1枚になりました。
『Work』のようなダンスホール寄りの曲もあれば、『Love on the Brain』のような50年代ソウル風の曲もあり、統一感よりも幅の広さが魅力です。チャートには長く居座り続け、アメリカでの累計ではキャリア最大級のロングセラーとなりました。アーティストとしての到達点は、この1枚だと思います。
収録曲(通常盤)
- Consideration (feat. SZA)
- James Joint
- Kiss It Better
- Work (feat. Drake)
- Desperado
- Woo
- Needed Me
- Yeah, I Said It
- Same Ol' Mistakes
- Never Ending
- Love on the Brain
- Higher
- Close to You
Rihanna – Work (Explicit) ft. Drake 【必聴】:2016年リリース。人気アーティストDrakeを迎えた楽曲で、ビルボードNo.1を獲得。9週連続で首位を守り、彼女にとって14曲目の全米1位となりました。
Rihanna – Needed Me:2016年リリース。低く抑えた歌い方が癖になる1曲で、アルバムの空気を象徴しています。
アルバム未収録の話題曲
ここでアルバムに収録されていない曲を紹介します。
Rihanna – Bitch Better Have My Money:2015年リリース。性的・暴力的な描写をめぐって議論を呼んだMVでも知られる曲です。どのスタジオアルバムにも収録されていない単発シングルですが、この時期の彼女の攻撃性がよく出ています。
Rihanna – Lift Me Up:2022年リリース。映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエヴァー』のために書き下ろされた曲で、6年ぶりの新曲として大きな話題になりました。急逝したチャドウィック・ボーズマンへの追悼歌でもあり、アカデミー賞歌曲賞にノミネートされています。
参加楽曲
自身の曲もですが、参加している楽曲もヒット曲多数です。
DJ Khaled – Wild Thoughts ft. Rihanna, Bryson Tiller:2017年の夏を代表する1曲。サンタナ『Maria Maria』のギターをそのまま使った大胆なトラックで、全米シングルチャート2位まで上昇しました。
Calvin Harris – This Is What You Came For ft. Rihanna:カルヴィン・ハリスとの3度目のタッグ。世界各国でトップ10入りを果たしました。
Eminem – The Monster (Explicit) ft. Rihanna:これは名曲ですね。2000年代を代表するラッパーであるエミネム、同じくR&Bを代表するアーティストのリアーナ。この2人で組めば間違いない。全米シングルチャート1位を獲得し、グラミー賞でも最優秀ラップ/歌唱コラボレーション賞を受賞しています。
音楽以外の活動と近年の動向
『ANTI』以降、リアーナは新しいスタジオアルバムを出していません。ただ、活動が止まっていたわけではまったくなく、むしろ活躍の場を大きく広げてきました。
2017年に立ち上げた化粧品ブランド「Fenty Beauty」は、幅広い肌色に対応したファンデーションを揃えたことで業界の常識を変えたと評価され、爆発的に成長。ランジェリーブランド「Savage X Fenty」も成功させ、彼女は女性ミュージシャンとして初のビリオネアとなりました。
音楽の場に戻ってきたのは2023年2月12日、スーパーボウルLVIIのハーフタイムショーでした。宙に浮かぶステージでヒット曲を歌い継ぐこのパフォーマンスは1億2,101万人が視聴し、スーパーボウル史上最も観られたハーフタイムショーとなっています。しかもステージ上でお腹に手を当て、第二子の妊娠を発表するというおまけ付きでした。
私生活では、2021年にラッパーのA$AP Rockyとの交際を公表。2022年に長男、2023年に次男、2025年に長女が誕生しています。新作を待つ声は年々大きくなっていますが、いまは家族と事業に重心を置いているようです。
まとめ
この記事書いてて思ったのが、「あれ、ヒット曲多すぎじゃね?」ということでしたね。そしてアルバムも結構出してて紹介するのが大変。しかも、アルバムそれぞれに大ヒット曲が収録されているから、どれも捨て難いものばかり。
もはや最強の女性アーティストの称号を与えても良いですね。全米No.1シングル14曲、グラミー賞9部門、そして音楽の外でも成功してみせたのですから。
これから聴き始めるなら、まずは『Good Girl Gone Bad』か『Loud』を1枚通しで。ヒット曲の密度が圧倒的です。そこが気に入ったら、アルバムとしての完成度が高い『ANTI』へ、もっと踏み込みたくなったら『Rated R』へ進んでみてください。
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