今回は、世界の歌姫マライア・キャリーの特集です。
マライア・キャリーはビルボードNo.1曲が多数あり、名曲がたくさんあります。この記事では、彼女のNo.1ヒット曲を中心におすすめの曲を紹介していきます。
Mariah Carey(マライア・キャリー)ってどんなアーティスト
マライア・キャリーは、5オクターブとも言われる広い声域と、口笛のような高音「ホイッスルボイス」で知られる女性アーティストです。90年代から2000年代にかけてポップス界に君臨しました。
1988年、ブレンダ・K・スターのバックコーラスをしていた頃、とあるパーティでブレンダがコロンビアレコードのトミー・モトーラ社長へマライアのデモテープを渡したことがきっかけでデビューすることになります。
トミー・モトーラ社長は自宅に帰る途中の車内でデモテープを聴き、即座にパーティへ引き返すようドライバーに命じたそうです。しかしマライアはすでに会場を去っており、彼はその後2週間かけて彼女を探し出したと伝えられています。
そしてコロンビアは、マライアのデビューアルバムの宣伝に100万ドル以上を費やしたそうです。いかに彼女が才能に溢れており、デビュー前から注目されていたのかが、このエピソードから分かります。
1990年6月にデビューアルバム『Mariah Carey』をリリース。このアルバムは全米アルバムチャートでNo.1を獲得し、収録されている1stシングル『Vision of Love』もビルボードで首位になりました。
その後も多くのヒット曲を歌い、通算19曲が米国ビルボードシングルチャートでNo.1を獲得しています。これはビートルズの20曲に次いで歴代2位で、ソロ歌手としては歴代1位という偉大な記録です。
そして『All I Want For Christmas Is You(邦題:恋人たちのクリスマス)』は、クリスマスシーズンには日本でも毎年のように耳にする不朽の名作です。
Mariah Carey(マライア・キャリー)のビルボードNo.1ヒット曲
以下はビルボードの1位を獲得したマライア・キャリーの楽曲です。
- Vision of Love
- Love Takes Time
- Someday
- I Don’t Wanna Cry
- Emotions
- I’ll Be There (featuring Trey Lorenz)
- Dreamlover
- Hero
- Fantasy
- One Sweet Day (with Boyz II Men)
- Always Be My Baby
- Honey
- My All
- Heartbreaker (featuring Jay-Z)
- Thank God I Found You (featuring Joe & 98 Degrees)
- We Belong Together
- Don’t Forget About Us
- Touch My Body
- All I Want For Christmas Is You
ここからは上記の曲を、発売年の古い順に紹介していきます(『All I Want For Christmas Is You』のみ、話の流れの都合で最後に置いています)。
Vision of Love(1990年)
【ビルボードNo.1ヒット】
マライア・キャリーのデビュー曲で、ポップ、ゴスペル、ソウル、R&Bの要素を取り入れたラブソングです。
デビュー曲でいきなりNo.1を獲得したのは、歌唱力と注目度の高さがあったからでしょう。ラストのメリスマ(音を細かく揺らす歌い回し)は、後の90年代R&Bシンガーたちが揃って真似したほど影響力がありました。
Love Takes Time(1990年)
【ビルボードNo.1ヒット】
とてもエモーショナルな楽曲ですね。ピアノとストリングスだけを背景に、歌の力だけで押し切る構成です。
デビューアルバムの制作終盤に急遽追加された曲で、これが2曲連続の全米No.1となりました。
Someday(1991年)
【ビルボードNo.1ヒット】
こちらはニュージャックスイングのビートが特徴的な楽曲です。上の2つとは異なる曲調ですね。90年代前半っぽさがあります。
バラードだけの人ではないということを、3曲目にして示してみせました。
I Don’t Wanna Cry(1991年)
【ビルボードNo.1ヒット】
デビューアルバムからの4枚目のシングルで、こちらも全米No.1を獲得しました。
静かに始まって少しずつ熱を帯びていく、彼女の得意なタイプのバラードです。
Emotions(1991年)
【ビルボードNo.1ヒット】
2作目のアルバム『Emotions』のタイトル曲。これでデビューから5作連続の全米No.1となりました。デビューから5枚のシングルすべてが1位というのは史上初の記録で、いまも破られていません。
プロデュースは「C+C Music Factory」のロバート・クライヴィルズとデヴィッド・コール。70年代のディスコを思わせる作りで、サビの終わりで飛び出すホイッスルボイスが強烈です。
I’ll Be There (featuring Trey Lorenz)(1992年)
【ビルボードNo.1ヒット】
『I’ll Be There』は、ジャクソン5のカバーです。MTVの「アンプラグド」で披露したバージョンがそのままシングルとしてリリースされ、全米No.1を獲得しました。
この曲は1993年のグラミー賞で2部門にノミネートされています。生バンドと歌だけで成立させたことで、「口パク疑惑」を完全に黙らせた一件としても知られています。
Dreamlover(1993年)
【ビルボードNo.1ヒット】
3作目のアルバム『Music Box』からのシングル。8週連続で全米1位を守りました。
軽やかで風通しのいいポップスで、ここから彼女の音楽性はよりR&B寄りへ広がっていきます。
Hero(1993年)
【ビルボードNo.1ヒット】
彼女の歌唱力が存分に発揮された名曲で、涙が出そうなほどいい曲です。
もともとは映画のために書かれた曲でしたが、本人が気に入って手元に残したという逸話があります。式典や卒業式でも歌われる、彼女の代表曲のひとつです。
Fantasy(1995年)
【ビルボードNo.1ヒット】
トム・トム・クラブの『Genius Of Love』がサンプリングの元ネタです。8週間連続でビルボード首位をキープしました。
女性アーティストとして初めて、シングルが全米チャートに初登場1位で入った曲。オール・ダーティ・バスタードを迎えたリミックスも大きな話題になり、「歌ものR&Bにラッパーを迎える」という手法を一般化させました。
One Sweet Day (with Boyz II Men)(1995年)
【ビルボードNo.1ヒット】
男性ボーカルグループBoyz II Menとのコラボ曲。この楽曲は、米国ビルボードにて初登場1位、さらに16週連続で1位を記録し、ロングヒットとなりました。
ビルボード16週連続1位は、2019年にリル・ナズ・Xの『Old Town Road』に破られるまで、ルイス・フォンシとダディー・ヤンキーの『Despacito』と並ぶ史上最長記録でした。
亡くなった大切な人に向けた歌で、両者が身近な人を亡くした経験から生まれた曲です。
Always Be My Baby(1996年)
【ビルボードNo.1ヒット】
アルバム『Daydream』からのシングルで、こちらも全米1位。
「ドゥドゥドゥ」のコーラスが耳から離れなくなる、彼女の曲の中でも屈指のキャッチーな1曲です。
Honey(1997年)
【ビルボードNo.1ヒット】
アルバム『Butterfly』からの先行シングル。ヒップホップ/R&Bへ完全に舵を切ったことを宣言した曲です。
スパイ映画風の派手なMVも含めて、それまでの清楚なイメージを自ら壊しにいった転換点でした。初登場1位を獲得しています。
My All(1998年)
【ビルボードNo.1ヒット】
ラテンギターを取り入れた、しっとりとしたバラード。
囁くような歌い方が全編を支配していて、声を張り上げるだけが彼女ではないことがよく分かる1曲です。
Heartbreaker (featuring Jay-Z)(1999年)
【ビルボードNo.1ヒット】
JAY-Zを迎えた、90年代最後の全米No.1。
ステイシー・ラティソウの曲をサンプリングした軽快なトラックで、映画館を舞台にした長編のMVも見応えがあります。
Thank God I Found You (featuring Joe & 98 Degrees)(2000年)
【ビルボードNo.1ヒット】
R&BシンガーのJoeとボーイズグループ98 Degreesとのコラボ曲。確か缶コーヒーのCMで流れていた記憶があります。
この曲で、1990年から11年連続で全米No.1を獲得するという記録を達成しました。これはギネス世界記録にも認定されています。
We Belong Together(2005年)
【ビルボードNo.1ヒット】
2000年の『Thank God I Found You』以来となる5年ぶりの全米No.1ヒットです。この曲は2005年のビルボード年間チャートでも首位に輝いています。
低迷期を経ての完全復活を印象づけた1曲で、囁くように始まり後半で本気の歌唱に切り替わる構成が見事。14週連続1位を記録しました。
Don’t Forget About Us(2005年)
【ビルボードNo.1ヒット】
同じくアルバム『The Emancipation of Mimi』からのシングルで、こちらも全米1位。
1枚のアルバムから2曲の1位を出し、復活を決定的なものにしました。
Touch My Body(2008年)
【ビルボードNo.1ヒット】
長らくNo.1から遠ざかっていたマライア・キャリーでしたが、この曲で見事No.1の座に返り咲きました。これで通算18曲目のビルボードNo.1となります。
この時点で、エルヴィス・プレスリーを抜いてソロアーティストとして史上最多の1位獲得数となりました。
All I Want For Christmas Is You(1994年)
【ビルボードNo.1ヒット】
最後に紹介するのはこの曲。今でもクリスマスシーズンになると耳にする不朽の名作です。邦題は『恋人たちのクリスマス』。
実はこの曲、当時はシングルカットされておらず、収録アルバムが発売された当初は全米チャートにランクインしていませんでした。
その後ストリーミングでの再生が集計に反映されるようになり、クリスマスシーズンにチャートへ戻ってくるようになります。そして発売から25年が経った2019年12月21日付のチャートで、ついに全米No.1を獲得しました。通算19曲目の1位です。
以降も毎年クリスマスシーズンになると首位に返り咲いており、彼女が「クイーン・オブ・クリスマス」と呼ばれる所以になっています。
その他のおすすめ曲
ビルボードNo.1を獲得した曲以外にも、おすすめしたい曲がいくつかあります。
Without You(1994年)
ビルボードで最高3位まで上昇した楽曲。No.1になっていないのが意外と思えるほど良い曲です。UKチャートなどヨーロッパの数カ国ではNo.1を獲得しています。
原曲はバッドフィンガーが書き、ハリー・ニルソンが歌って有名になった1970年代の曲で、マライアがカバーしました。サビの「I can’t live」は鳥肌レベルに好きです。
Jermaine Dupri – Sweetheart ft. Mariah Carey(1998年)
プロデューサー/ラッパーのジャーメイン・デュプリとのコラボ曲。
この時期のマライアはヒップホップ勢との共作を積極的に進めており、その代表例のひとつです。
Whitney Houston ft. Mariah Carey – When You Believe(1998年)
ホイットニー・ヒューストンとのコラボ曲。アニメ映画『プリンス・オブ・エジプト』の主題歌です。
当時「二大ディーヴァの共演」として世界的な話題になりました。アカデミー賞歌曲賞を受賞しています。
I Still Believe(1999年)
この曲は、ブレンダ・K・スターのカバー曲です。
マライアがデビューするキッカケとなったのは、スターがコロンビアレコードのトミー・モトーラ社長にデモテープを渡したことでした。その機会を与えてくれたスターに対する感謝の意を込めてカバーしたそうです。
Busta Rhymes, Mariah Carey – I Know What You Want ft. Flipmode Squad(2003年)
バスタ・ライムスとのコラボ曲で、全米シングルチャート3位まで上昇しました。
キャリアの低迷期と言われていた時期に、ヒップホップ側から差し伸べられた手がこの曲。復活への足がかりのひとつになりました。
Shake It Off(2005年)
アルバム『The Emancipation of Mimi』からのシングルで、全米2位を記録。
ダメな恋人を振り切るという内容で、軽やかなトラックが心地よい1曲です。
Obsessed(2009年)
全米7位を記録したシングル。
当時話題になっていた騒動への返答とも読める曲で、MVでは彼女自身が男性役も演じています。
Type Dangerous(2025年)
7年ぶりのアルバム『Here for It All』(2025年)からの先行シングル。
エリック・B.&ラキムの『Eric B. Is President』をサンプリングした、90年代のヒップホップ/R&Bに立ち返った1曲です。ジョセフ・カーンが監督したMVは、2025年のMTVビデオ・ミュージック・アワードで最優秀R&Bビデオ賞を受賞しました。
Mariah Carey(マライア・キャリー)が持つ主な記録
- ビルボードHot 100での首位獲得数は19曲で歴代2位。歴代トップはビートルズの20曲で、ソロアーティストとしては歴代1位です。
- 1990年から2000年まで、11年連続で全米No.1シングルを獲得。これはギネス世界記録に認定されています。
- 自身の楽曲がビルボードHot 100の1位に在位した週数は通算100週を超えており、これも歴代最多の記録です。
- デビューから5作連続で全米No.1シングルを獲得。これは史上初で、いまも破られていません。
- デビューから2010年まで21年連続でビルボードのR&Bチャートにランクイン。これは女性歌手としては最長記録です。
この他にも多くの記録を持っており、いかに彼女が偉大なアーティストかというのが分かるでしょう。
2020年以降の活動
2020年には自伝『The Meaning of Mariah Carey』を出版。幼少期の経験から音楽業界での苦闘まで赤裸々に綴った内容で、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストで1位を獲得しました。同年には未発表音源をまとめた『The Rarities』も発表しています。
毎年クリスマスの時期になると『All I Want For Christmas Is You』がチャートの首位に返り咲き、特番やツアーで各国を回るのが恒例に。「クイーン・オブ・クリスマス」という呼び名がすっかり定着しました。
そして2025年9月26日、7年ぶりとなる16作目のスタジオアルバム『Here for It All』をリリース。アンダーソン・パーク、ケラーニ、シェンシーアらを迎えた、ファンクやゴスペルの手触りを持つ作品で、往年のファンからも高い評価を得ています。
まとめ
この記事で紹介した曲数を見れば、どれだけマライア・キャリーには名曲が多いか分かると思います。
90年代以降に活躍し、ほとんどの人が彼女の曲を耳にしたことがあるはずです。これだけ偉大なアーティストは中々出てこないでしょう。
これから聴き始めるなら、まずは『Hero』『Fantasy』『We Belong Together』の3曲から。気に入ったら、キャリア最大のヒット作『The Emancipation of Mimi』(2005年)か、ベスト盤『#1’s』を通しで聴いてみてください。
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