洋楽の男性アーティストで、いま特に聴いておきたい顔ぶれを一挙に紹介します。長年トップを走り続けるスターから、ここ数年で一気にブレイクした新世代、さらに音楽史に名を刻んだレジェンドまで。2020年代のシーンと、その土台になった名曲の両方をぐっと身近に感じられるはずです。気になった人は、各アーティストの詳しい解説記事もあわせてチェックしてみてください。
人気の男性洋楽アーティスト【シンガー・ラッパー編】
まずは歌とラップで世界を沸かせる面々から。ジャンルの垣根が溶け合った“いま”のシーンを象徴する、勢いのあるアーティストが揃っています。
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)
2010年代から現在まで第一線を走り続ける、言わずと知れたポップアイコン。子役的スターから脱皮し、『Sorry』『Peaches』など大人びたサウンドで進化を続けてきました。浮き沈みを乗り越えながらトップに立ち続ける生命力と、時代ごとに更新される表現力が魅力です。
『Sorry』『Love Yourself』『Peaches』などヒットは数知れず。EDM寄りのアッパーな曲から、チルなR&Bまで、時期ごとにサウンドが大きく変化しているので、アルバム単位で追うと成長がよく分かって面白いです。
Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)
いまのヒップホップ、いや音楽シーン全体を語るうえで外せない最重要ラッパー。緻密なリリックと社会的なメッセージで、ラッパーとして初めてピュリッツァー賞を受賞した“別格”の存在です。2024年にはドレイクとの因縁から生まれた『Not Like Us』が社会現象級の大ヒットとなり、2025年にはスーパーボウルのハーフタイムショーで単独ヘッドライナーも務めました。
入り口には、キャッチーな『HUMBLE.』や勢いそのままの『Not Like Us』を。名盤『good kid, m.A.A.d city』『To Pimp a Butterfly』まで踏み込めば、彼が“天才”と呼ばれる理由がはっきり分かります。ラップの奥深さを知りたいなら、まず彼から。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド)
いま世界でもっとも影響力のある男性シンガーの一人。ダークで官能的なR&Bを出自としながら、80年代シンセポップを昇華した『Blinding Lights』のような大衆的ヒットまで自在にこなします。長期にわたりチャートを支配し、スーパーボウルのハーフタイムショーも務めた、2020年代を象徴する存在です。
まず聴くなら、時代を象徴するメガヒット『Blinding Lights』から。そこから『Starboy』『Save Your Tears』『Die For You』とたどれば、ポップな側面とダークな側面の両方を一気に味わえます。
Bruno Mars(ブルーノ・マーズ)
圧倒的なエンターテイナー。往年のソウルやファンクを現代に蘇らせる才能に加え、2024年はレディー・ガガとの『Die with a Smile』、ロゼ(ROSÉ)との『APT.』が世界を席巻しました。誰と組んでも“持っていく”存在感は、まさに一流の証です。
ノリの良さなら『Uptown Funk』『24K Magic』『APT.』、歌の実力なら『When I Was Your Man』を。Silk Sonicの『Leave the Door Open』も必聴です。とにかく“気持ちよさ”が徹底的に磨かれていて、ハズレがありません。
Post Malone(ポスト・マローン)
ヒップホップ、ポップ、ロック、そしてカントリーまで——ジャンルの壁を軽々と越える“ジャンルレス”の申し子。『Circles』『Sunflower』などメロディアスな大ヒットに加え、2024年にはカントリー・アルバムを発表して新境地を開拓しました。誰と組んでも名曲にしてしまう、稀有なメロディメーカーです。
『Circles』『Sunflower』『rockstar』あたりが入りやすい定番。切ないメロディと心地よい浮遊感が持ち味で、アルバムごとに違う顔を見せるので、聴き比べるほど好きになるタイプのアーティストです。
Benson Boone(ベンソン・ブーン)
2024年に一気にスターダムを駆け上がった、いま最も勢いのある新星の一人。2002年生まれ、アメリカ・ワシントン州出身のシンガーソングライターです。TikTok発のバイラルから頭角を現し、『Beautiful Things』が世界的な大ヒットに。静かな導入からサビで爆発する構成と、伸びやかなファルセットが持ち味です。
まずは代表曲『Beautiful Things』から。ライブでの派手なバク転パフォーマンスも名物で、MVと合わせてライブ映像もチェックすると魅力が倍増します。これからの活躍が最も楽しみなアーティストの一人です。
Teddy Swims(テディ・スウィムス)
ソウルフルな歌声で世界を虜にした、アメリカのシンガー。2023年リリースの『Lose Control』が、じわじわとロングヒットして2024年を代表する一曲に成長しました。R&B、ソウル、ポップ、カントリーまで飲み込む、懐の深い歌唱が魅力です。
まずは『Lose Control』を。感情を絞り出すような歌い方は、一度聴くと忘れられません。カバー動画出身らしい表現力の豊かさも聴きどころで、これからの一枚一枚が楽しみな存在です。
Harry Styles(ハリー・スタイルズ)
ワン・ダイレクションを経て、ソロでも頂点に立った現代を代表するポップスター。2022年の『As It Was』は世界中で大ヒットし、アルバム『Harry’s House』はグラミー最優秀アルバム賞に輝きました。自由でジェンダーレスなファッションを含め、時代のアイコン的存在です。
『As It Was』『Watermelon Sugar』『Sign of the Times』が入門編。80年代風のポップから壮大なバラードまで、幅広い表現をおしゃれに聴かせてくれます。
Ed Sheeran(エド・シーラン)
ギター一本の弾き語りから世界の頂点へと駆け上がった、現代最強クラスのシンガーソングライター。『Shape of You』『Perfect』など、一度は耳にした国民的ヒットを次々に生み出してきました。長く第一線に居続ける安定感は圧倒的です。
入り口はやはり『Shape of You』か『Perfect』。しっとり聴きたいなら『Thinking Out Loud』、アップテンポなら『Bad Habits』もおすすめです。ループマシンを駆使した一人多重演奏のライブも必見です。
Drake(ドレイク)
ストリーミング時代を象徴する、ラップ/R&Bの超巨人。『God’s Plan』『One Dance』など、ラップの枠を超えて世界中で口ずさまれるヒットを量産してきました。数々のチャート記録を塗り替え続けてきた、現代ヒップホップの中心人物です。
入門編は『God’s Plan』『One Dance』『Hotline Bling』あたり。歌とラップを自在に行き来する独特のスタイルで、メロウな夜にも、パーティーにも合う懐の深さがあります。前述のケンドリックと聴き比べてみるのも一興です。
このほか、カントリー/アメリカーナで絶大な人気を誇るZach Bryan(ザック・ブライアン)、『Too Sweet』が2024年に大ヒットしたHozier(ホージア)、ヒップホップ大作『UTOPIA』で話題を呼んだTravis Scott(トラヴィス・スコット)など、いま勢いのある名前は他にもたくさん。あわせて要チェックです。
人気の男性洋楽アーティスト【DJ・プロデューサー編】
続いては、ダンスミュージックのシーンを支えるDJ/プロデューサーたち。ボーカリストとのコラボを通じて、いまもポップスの最前線に影響を与え続けています。
Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)
ダンスミュージック界の絶対的ヒットメーカー。数々のトップシンガーを迎えたコラボで、クラブからチャートまでを制圧してきました。『Feels』『One Kiss』『Summer』など、夏にぴったりのアッパーチューンが得意で、豪華なフィーチャリング陣を引き立てるプロデュース力も聴きどころです。
Kygo(カイゴ)
ピアノの美しいメロディを主役に据えた“トロピカルハウス”の第一人者。派手さより情感で聴かせるサウンドは、ダンスミュージックに新しい聴き方をもたらしました。『Firestone』『It Ain’t Me』などが代表曲で、作業中にもドライブにも寄り添う心地よさが魅力です。
Martin Garrix(マーティン・ギャリックス)
10代にしてシーンの頂点に立った、オランダの天才DJ。『Animals』のブレイク以降、世界のDJランキング上位の常連として君臨してきました。フェスの大歓声が目に浮かぶような、高揚感あるサウンドが魅力。テンションを上げたいときのプレイリストにぜひ。
レジェンド級の男性洋楽アーティスト【殿堂入り編】
最後は、音楽史そのものを塗り替えてきたレジェンドたち。いまのヒット曲のルーツをたどっていくと、必ずこの人たちに行き着きます。世代を問わず一度は通っておきたい、“教科書”のような顔ぶれです。
Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)
「キング・オブ・ポップ」の称号を持つ、ポップミュージックの絶対王者。1982年のアルバム『Thriller』は史上最も売れたアルバムとして知られ、ミュージックビデオを短編映画の域まで押し上げました。ムーンウォークをはじめとするダンス、圧倒的な歌唱、ショーとしての完成度——いまのポップスターが目指す“理想形”を作った人です。2009年に急逝しましたが、影響力はまったく色褪せていません。
最初に聴くなら『Billie Jean』『Beat It』『Smooth Criminal』あたりの鉄板から。ホラー映画さながらの『Thriller』のMVや、社会的なメッセージを込めた『Heal the World』『Man in the Mirror』まで踏み込むと、表現者としての幅広さがよく分かります。
Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー)
「キング・オブ・ロックンロール」。1950年代、ブラックミュージックのリズムを取り込んだ歌と腰を振るパフォーマンスで、若者文化そのものを生み出した人物です。ロックというジャンルが世界的な音楽になっていく最初の扉を開けた存在で、その後のスターの“かたち”はほぼ彼が作ったと言っても過言ではありません。1977年に42歳で亡くなった後も、聖地グレイスランドには世界中からファンが訪れ続けています。
入り口は『Jailhouse Rock』『Hound Dog』のようなノリのいいロックンロールから。バラードなら『Can’t Help Falling in Love』が今も世界中でカバーされ続ける超名曲です。2022年の映画『エルヴィス』で知った人は、サントラと原曲を聴き比べてみると面白いですよ。
Freddie Mercury(フレディ・マーキュリー)
Queenのフロントマンにして、ロック史上屈指のボーカリスト。伸びやかで力強い歌声と、観客をまるごと巻き込むステージングは唯一無二でした。オペラとロックを融合させた1975年の『Bohemian Rhapsody』や、1985年のライヴ・エイドでの伝説的なパフォーマンスは、いまも語り継がれています。1991年に45歳で世を去りましたが、2018年の映画『ボヘミアン・ラプソディ』で新たな世代のファンを一気に増やしました。
まずは『Bohemian Rhapsody』を通しで。あとはスタジアムが揺れる『We Will Rock You』『We Are the Champions』、疾走感なら『Don’t Stop Me Now』が入りやすいです。ライヴ・エイドの映像は、一度は観ておいて損はありません。
Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)
幼くして視力を失いながら、モータウンから11歳でデビューした天才。1970年代に『Talking Book』『Innervisions』『Songs in the Key of Life』と傑作を連発し、ソウル/R&Bの表現を一気に押し広げました。歌もキーボードもハーモニカも作曲もこなす万能型で、いまのR&Bシンガーが口を揃えて名前を挙げる“原点”のような存在です。
入り口はファンキーな『Superstition』か、ホーンが華やかな『Sir Duke』。しっとり聴きたいなら『I Just Called to Say I Love You』『Isn’t She Lovely』を。コード進行の気持ちよさは、何十年経っても古びません。
Prince(プリンス)
作詞作曲からほぼすべての楽器の演奏、プロデュースまでひとりでこなした規格外の鬼才。ファンク、ロック、ポップ、ソウルを自在に混ぜ合わせ、ジャンルという枠組み自体を無意味にしてしまいました。1984年のアルバム『Purple Rain』と同名映画は特に有名で、ギタリストとしての腕前も一級品です。2016年に57歳で急逝し、世界中が言葉を失いました。
まずは『Purple Rain』の壮大なギターソロ、そしてミニマルな格好良さが際立つ『Kiss』から。『When Doves Cry』『1999』まで聴けば、この人がどれだけ“未来の音”を鳴らしていたかが分かります。
Bob Marley(ボブ・マーリー)
レゲエを世界の音楽にしたジャマイカの英雄。独特の跳ねるリズムに、平和や自由、抵抗のメッセージを乗せて歌い、音楽の枠を超えた思想的な支柱にもなりました。1981年に36歳で亡くなった後に編まれたベスト盤『Legend』は、いまも入門盤の決定版として聴き継がれています。
最初の一曲には、軽やかな『Could You Be Loved』か、口ずさみたくなる『Three Little Birds』を。じっくり浸りたいなら『No Woman, No Cry』『Redemption Song』へ。晴れた日にも、少し落ち込んだ日にも寄り添ってくれる音楽です。
David Bowie(デヴィッド・ボウイ)
時代ごとに姿を変え続けた“カメレオン”。異星のロックスター「Ziggy Stardust」を演じたグラムロック期から、ベルリンで制作した実験的な三部作、ダンサブルな『Let’s Dance』まで、キャリアのどこを切っても違う顔をしています。音楽だけでなくファッションや表現のあり方そのものに影響を与えた人で、後進のアーティストが必ずリスペクトを口にする存在です。2016年1月8日に『★(Blackstar)』を発表し、その2日後に世を去りました。
入り口は壮大な『Heroes』、宇宙飛行士の孤独を歌った『Space Oddity』、ノリのいい『Let’s Dance』あたりから。遺作となった『★』まで聴くと、最後まで表現者であり続けた凄みが伝わってきます。
Elton John(エルトン・ジョン)
ピアノを弾きながら歌う姿と、きらびやかな衣装がトレードマークの英国の巨匠。作詞家バーニー・トーピンとの長年のコンビで、時代を超えて歌い継がれる名曲を量産してきました。グラミー・オスカー・トニー・エミーをすべて制する「EGOT」達成者でもあり、2018年に始めたフェアウェル・ツアーを2023年に完走して、長いツアー生活に区切りをつけています。
まずは『Your Song』『Rocket Man』『Tiny Dancer』の3曲を。ダイアナ元妃に捧げた『Candle in the Wind』や、映画『ライオン・キング』の『Can You Feel the Love Tonight』も彼の仕事です。半生を描いた映画『ロケットマン』(2019年)から入るのもおすすめ。
Eric Clapton(エリック・クラプトン)
“ギターの神様”と呼ばれる、ブルースロックの生ける伝説。ヤードバーズ、クリーム、デレク・アンド・ザ・ドミノスと渡り歩き、ソロでも頂点に立ちました。ロックの殿堂にバンドとソロで計3度入っているという、とんでもない経歴の持ち主です。泣いているかのように歌うギターの音色は、一度聴けば忘れられません。
入り口は名曲『Layla』。荒々しい原曲と、1992年の『Unplugged』でのアコースティック版を聴き比べると面白いです。息子を亡くした悲しみを歌った『Tears in Heaven』、優しい『Wonderful Tonight』も外せません。
2Pac(トゥパック)
ヒップホップ史上もっとも語られ続けるカリスマ。ギャングスタラップの象徴として語られがちですが、貧困や差別、母への感謝までを率直な言葉で綴る詩人でもありました。1996年に銃撃を受け、25歳という若さでこの世を去っています。2017年にはロックの殿堂入りも果たし、いまなお後続のラッパーに引用され続けている存在です。
最初の一曲は、Dr. Dreを迎えた西海岸アンセム『California Love』。社会を見つめた『Changes』、母に捧げた『Dear Mama』まで聴けば、彼が“ただの不良”ではなかったことがよく分かります。
Eminem(エミネム)
白人ラッパーへの偏見をねじ伏せ、技術と言葉数でシーンの頂点に立った規格外の存在。Dr. Dreに見出され、『The Marshall Mathers LP』(2000年)で一気に社会現象となりました。自伝的映画『8 Mile』の主題歌『Lose Yourself』は、2003年にヒップホップ楽曲として初めてアカデミー賞歌曲賞を受賞。2022年にはロックの殿堂入りも果たし、2024年には『The Death of Slim Shady (Coup de Grâce)』を発表しています。
入り口は文句なしに『Lose Yourself』。皮肉たっぷりの『Without Me』、物語性の高い『Stan』、ラップスキルを堪能するなら『Rap God』へ。歌詞の意味を追いながら聴くと、評価の高さの理由が腑に落ちます。
このほか、ポピュラー音楽の形そのものを変えたThe Beatles(ザ・ビートルズ)のJohn Lennon(ジョン・レノン)やPaul McCartney(ポール・マッカートニー)、歌詞を文学の域に引き上げたBob Dylan(ボブ・ディラン)、エレキギターの常識を壊したJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)、ソウルの礎を築いたRay Charles(レイ・チャールズ)やJames Brown(ジェームス・ブラウン)など、避けて通れない巨人はまだまだいます。
まとめ
今回は、押さえておきたい人気の男性洋楽アーティストを、シンガー・ラッパー編・DJ/プロデューサー編・レジェンド編の3つに分けて紹介しました。新世代からベテラン、そして音楽史をつくった巨人まで、“今”のシーンとそのルーツが少し身近になったのではないでしょうか。まずはBenson Booneの『Beautiful Things』で“いまの音”を、Michael Jacksonの『Billie Jean』で“原点”を聴いてみるのがおすすめです。気になる人がいたら、ぜひ各アーティストの解説記事から“最初の一曲”を見つけてみてください。
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