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Linkin Park(リンキン・パーク)のおすすめ人気曲・アルバム

Linkin Park(リンキン・パーク)は、アメリカ・カリフォルニア州出身のロックバンドです。2000年のデビューアルバム『Hybrid Theory』は世界で3,200万枚を売り上げ、21世紀のロックでもっとも多くの人に届いた作品のひとつになりました。ラップとメタル、シンセと生音、怒りと弱さ。相反するものを1曲のなかで同居させる設計が、彼らの発明でした。

もうひとつの特徴は、同じ場所に留まらなかったことです。ニューメタルの頂点に立った直後にその型を捨て、ロック、エレクトロニカ、ポップと作品ごとに音を変えていきました。そのたびに賛否が起きましたが、変わり続けたこと自体が彼らの一貫性でもあります。

この記事では、リンキン・パークがどんなバンドなのかを整理したうえで、アルバムを発表順にたどりながら代表曲を1曲ずつ紹介していきます。2017年のチェスター・ベニントンの死と、2024年の再始動までを含めた内容です。

Linkin Park(リンキン・パーク)とは?

Xeroからニューメタルの頂点へ

結成は1996年、カリフォルニア州アゴーラヒルズ。当初はXero(ゼロ)、その後Hybrid Theoryと名を変え、2000年にLinkin Parkとして最初のアルバムを発表しました。

ボーカルのチェスター・ベニントンが加入したのは1999年です。マイク・シノダのラップとチェスターの叫ぶような歌、ブラッド・デルソンのギター、ジョー・ハンのターンテーブル、そしてサンプラー。この配合が『Hybrid Theory』で完成し、当時のニューメタルというジャンルの代表になりました。

ただ、彼らは同じ音を繰り返しませんでした。2003年の『Meteora』で型を完成させたあと、2007年の『Minutes to Midnight』ではリック・ルービンを迎えてラップを大幅に減らし、2010年の『A Thousand Suns』では核戦争をモチーフにした実験的なコンセプト作へ。2017年の『One More Light』ではポップスに接近し、賛否が最も大きく割れました。

その『One More Light』の発表から2か月後、2017年7月20日にチェスター・ベニントンが自ら命を絶ちます。バンドは長い沈黙に入り、7年後の2024年9月5日、新ボーカルにデッド・サラのエミリー・アームストロング、ドラムにコリン・ブリッテンを迎えて再始動を発表しました。同年11月には8作目『From Zero』を発表しています。

メンバー

ボーカル・ラップ・キーボードマイク・シノダ
ボーカル(2024年〜)エミリー・アームストロング
ギターブラッド・デルソン(2024年以降はツアーには参加せず制作面を担当)
ベースデイヴ・“フェニックス”・ファレル
ターンテーブル・サンプリングジョー・ハン
ドラム(2024年〜)コリン・ブリッテン
ボーカル(1999〜2017年)チェスター・ベニントン
ドラム(〜2017年)ロブ・ボードン

2024年の再始動では、ドラムのロブ・ボードンは参加していません。またブラッド・デルソンはツアーから離れ、制作面を担当する立場になりました。新体制の発表は、歓迎の声と戸惑いの声の両方を呼ぶことになりました。

数字で見るLinkin Park

総セールスは全世界で1億枚を超えています。デビュー作『Hybrid Theory』はアメリカで1,100万枚(12×プラチナ)、世界で3,200万枚。2003年の『Meteora』は初週81万400枚でBillboard 200の1位に入りました。

グラミー賞は2回受賞しています。2002年の第44回で「Crawling」が最優秀ハード・ロック・パフォーマンス、2006年の第48回でJAY-Zとの「Numb/Encore」が最優秀ラップ/歌唱コラボレーションを獲得しました。代表曲「In the End」はアメリカでダイヤモンド認定(1,000万ユニット)に達しています。

Linkin Parkのおすすめ曲・アルバム

ここからは、アルバムを発表順にたどりながら、それぞれの代表曲を1曲ずつ取り上げていきます。

1st Album『Hybrid Theory』(2000年)

2000年10月24日リリースのデビューアルバムです。プロデュースはドン・ギルモア。Billboard 200では2位でしたが、そこから異常な長さで売れ続け、アメリカで1,100万枚(12×プラチナ)、世界で3,200万枚に達しました。史上もっとも売れたデビューアルバムのひとつです。

内容は37分12曲、無駄が一切ありません。ラップとメタルの融合という当時の流行を、いちばん整理された形で提示した作品で、歌詞の主題は疎外感、怒り、自己嫌悪。10代のリスナーの内面をそのまま言葉にしたことが、この規模のヒットにつながりました。

『One Step Closer』

2000年8月29日リリースのデビューシングルです。アルバムに先駆けて発表され、バンドの名前を最初に知らせた曲になりました。

「もう一歩でお前に手をかけそうだ」と叫ぶサビが有名な曲。抑えたヴァースから爆発するサビへ、という彼らの基本設計がすでに完成しています。ライブでは最後まで定番曲であり続けました。

『Crawling』

2001年4月2日リリース。2002年の第44回グラミー賞で最優秀ハード・ロック・パフォーマンスを受賞した曲です。

シンセの分厚い和音に乗せて、自分の内側から出てくるものへの恐れを歌います。チェスター・ベニントンの声の幅——ささやきから絶叫まで——がもっとも分かりやすく出た曲で、彼の歌の凄みを知るならこの曲からです。

『In The End』

2001年9月リリース。Billboard Hot 100で2位、Alternative Airplayでは5週にわたって1位。アメリカではダイヤモンド認定(1,000万ユニット)に達し、バンドの代表曲になりました。

あのピアノのリフから始まり、マイク・シノダのラップとチェスターのサビが交代する構成。「結局それは重要じゃなかった」というフレーズは、世代を超えて引用され続けています。チェスター自身は当初この曲を気に入っていなかったと語っていましたが、結果としてバンドの顔になりました。

収録曲

  1. Papercut
  2. One Step Closer
  3. With You
  4. Points of Authority
  5. Crawling
  6. Runaway
  7. By Myself
  8. In the End
  9. A Place for My Head
  10. Forgotten
  11. Cure for the Itch
  12. Pushing Me Away

2nd Album『Meteora』(2003年)

2003年3月25日リリースの2作目です。初週81万400枚でBillboard 200の1位、全英でも1位を獲得し、世界で約1,600万枚を売り上げました。

前作の路線をさらに研ぎ澄ました作品で、曲は短く、フックはより強くなっています。デビュー作を超えるプレッシャーのなかで作られたにもかかわらず、「Numb」「Faint」「Breaking the Habit」といった代表曲が並ぶ、隙のない1枚になりました。2023年4月7日には20周年記念盤が発表され、未発表曲「Lost」が同年2月に公開されて話題になりました。

『Somewhere I Belong』

2003年2月24日リリースの先行シングルです。アルバムの方向性を最初に示した曲になりました。

民族音楽的なサンプルから始まり、「自分の居場所を見つけたい」という主題に入っていく曲。前作の怒りから、少し先へ進もうとする姿勢が出ています。

『Numb』

2003年9月8日リリース。バンドの代表曲のひとつであり、「In the End」と並んで最も知られた曲です。

シンセのリフと、抑圧された感情を吐き出すサビ。「あなたの望む人間にはなれない」という歌詞が、親や社会との関係に苦しむリスナーに刺さり続けています。翌年にはJAY-Zとのマッシュアップで、まったく別の形でも大ヒットしました。

『Breaking the Habit』

2004年6月14日リリース。アルバムからの最後のシングルで、ストリングスとエレクトロニクスを組み合わせた曲です。

ギターの歪みをほとんど使わず、打ち込みと弦の重ね方で緊張感を作る曲。アニメーションのミュージックビデオも印象的で、のちの『Minutes to Midnight』以降の変化を予告していた1曲だといえます。

収録曲

  1. Foreword
  2. Don't Stay
  3. Somewhere I Belong
  4. Lying from You
  5. Hit the Floor
  6. Easier to Run
  7. Faint
  8. Figure.09
  9. Breaking the Habit
  10. From the Inside
  11. Nobody's Listening
  12. Session (Instrumental)
  13. Numb

JAY-Zとのコラボ『Collision Course』(2004年)

2004年11月30日、JAY-Zと共作したマッシュアップEP『Collision Course』が発表されました。両者の既存曲を組み合わせた6曲で、Billboard 200では初週36万8,000枚で1位。ロックとヒップホップの本格的な交配として、当時大きな注目を集めました。

『Numb / Encore』

リンキン・パークの「Numb」とJAY-Zの「Encore」を組み合わせた曲です。2006年の第48回グラミー賞で最優秀ラップ/歌唱コラボレーションを受賞しました。

2つの曲が違和感なくひとつになっているのが見事な1曲。原曲を知っていても知らなくても成立する完成度で、マッシュアップという手法の代表例として今も引かれます。

3rd Album『Minutes to Midnight』(2007年)

2007年5月14日リリースの3作目です。プロデュースはリック・ルービンとマイク・シノダ。初週62万3,000枚でBillboard 200の1位に入り、2007年最大のデビューとなりました。

この作品でバンドは大きく舵を切ります。ラップとサンプリングを大幅に減らし、生のバンドサウンドとクラシックロックの手触りを取り入れました。歌詞も個人的な感情から、戦争や社会への視線を含むものへ広がっています。ニューメタルのバンドという看板を自分から降ろした1枚です。

『What I’ve Done』

2007年4月2日リリースの先行シングル。映画『トランスフォーマー』でも使われ、新しい路線を代表する曲になりました。

ピアノとギターで押していく構成で、ラップは入りません。「自分がしてきたことを許してほしい」という主題を、チェスターの歌だけで通す曲です。ここから彼らの「ロックバンド」としての時代が始まりました。

『Shadow Of The Day』

2007年10月16日リリース。アルバムのなかでもっとも静かな曲のひとつです。

U2を思わせるゆったりしたギターで進むバラードで、叫ばずに聴かせる曲。この曲が成立したことで、バンドの表現の幅が一気に広がりました。

収録曲

  1. Wake
  2. Given Up
  3. Leave Out All the Rest
  4. Bleed It Out
  5. Shadow of the Day
  6. What I've Done
  7. Hands Held High
  8. No More Sorrow
  9. Valentine's Day
  10. In Between
  11. In Pieces
  12. The Little Things Give You Away

4th Album『A Thousand Suns』(2010年)

2010年9月リリースの4作目です。プロデュースは前作と同じリック・ルービンとマイク・シノダ。初週24万1,000枚でBillboard 200の1位を獲得しました。

全15曲が切れ目なくつながるコンセプトアルバムで、テーマは核兵器と人類の恐怖。原爆開発を率いたオッペンハイマーの言葉が引用され、電子音とスポークンワードが大きな比重を占めます。批評家の評価は割れ、レディオヘッドの『Kid A』と比較する声もあれば、「単調だ」という声もありました。ファンの間でも賛否が最も分かれた作品のひとつです。

『Waiting For The End』

2010年10月1日リリース。Hot 100では42位。実験的なアルバムのなかで、もっとも歌として聴きやすい曲です。

レゲエ的なリズムに乗るマイク・シノダのヴァースと、浮遊感のあるサビの組み合わせ。「終わりを待ちながら、始まりを待っている」という歌詞が、この時期のバンドの位置をそのまま表していました。

収録曲

  1. The Requiem
  2. The Radiance
  3. Burning in the Skies
  4. Empty Spaces
  5. When They Come for Me
  6. Robot Boy
  7. Jornada del Muerto
  8. Waiting for the End
  9. Blackout
  10. Wretches and Kings
  11. Wisdom, Justice, and Love
  12. Iridescent
  13. Fallout
  14. The Catalyst
  15. The Messenger

7th Album『One More Light』(2017年)

2017年5月19日リリースの7作目です。Billboard 200では初週11万1,000枚で1位、バンドとして6作目の全米1位アルバムとなりました。なお2012年の『Living Things』、2014年の『The Hunting Party』もこの間に発表されています。

この作品は、彼らのキャリアでもっとも評価が割れました。ギターの比重を下げ、現代的なポップスの作り方を取り入れた結果、Metacriticのスコアは46点。「安易な商業的判断だ」という批判が出ました。しかし発表から2か月後、この作品の受け取られ方は決定的に変わります。

『Heavy』

2017年2月16日リリースの先行シングル。歌手のキアラを迎えた曲で、アルバムの方向性を示しました。

ロックバンドの曲というより、当時のポップスの作法で作られた曲です。「なぜ全部を重く受け取ってしまうのか」という歌詞は、いま聴くと別の重さを持ちます。

『One More Light』

2017年10月3日にシングルとして発表された表題曲です。もともとは亡くなった友人に向けて書かれた曲でした。

「ひとつの灯が消えても誰も気にしないと言うけれど、私は気にする」と歌う静かな曲。チェスター・ベニントンの死後、この曲は彼自身への追悼歌として受け取られるようになりました。彼が参加した最後のアルバムであり、ドラムのロブ・ボードンにとっても最後の作品です。

収録曲

  1. Nobody Can Save Me
  2. Good Goodbye (featuring Pusha T and Stormzy)
  3. Talking to Myself
  4. Battle Symphony
  5. Invisible
  6. Heavy (featuring Kiiara)
  7. Sorry for Now
  8. Halfway Right
  9. One More Light
  10. Sharp Edges

8th Album『From Zero』(2024年)

2024年11月15日リリース。7年ぶりのアルバムであり、新体制での最初の作品です。Billboard 200では初週9万7,000ユニットで2位、全英では3万7,826ユニットで1位を獲得しました。タイトルは、結成当初のバンド名Xero(ゼロ)に立ち返る意味を持っています。

プロデュースの中心はマイク・シノダ。音はデビュー期のニューメタルやラップロックに戻りつつ、後期の実験的な要素も残すという配合です。2025年5月16日には、新曲3曲とライブ音源5曲を追加したデラックス版も発表されました。

『The Emptiness Machine』

2024年9月5日、再始動の発表と同時に公開された復活第1弾シングルです。

マイク・シノダとエミリー・アームストロングが交代で歌う構成で、初期の設計をそのまま新体制に置き換えた曲。エミリーの声はチェスターの模倣ではなく、別のざらつきを持っています。新しいバンドとして何ができるかを最初に示した1曲です。

『Heavy Is The Crown』

2024年9月24日リリース。ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』の世界大会「Worlds 2024」の公式アンセムとして書かれた曲で、同年11月2日のロンドンO2アリーナでの開会式でも披露されました。ミュージックビデオにはプロゲーマーのFaker(イ・サンヒョク)が登場します。

硬いギターリフと速いテンポで押していく曲で、アルバムのなかではもっとも攻撃的です。ゲームの世界大会という舞台と、王座の重さという主題がぴたりと合っていました。

収録曲

  1. From Zero (Intro)
  2. The Emptiness Machine
  3. Cut the Bridge
  4. Heavy Is the Crown
  5. Over Each Other
  6. Casualty
  7. Overflow
  8. Two Faced
  9. Stained
  10. IGYEIH
  11. Good Things Go

日本との関わり|サマーソニックの常連から12年ぶりの来日へ

リンキン・パークは、日本のフェスと縁の深いバンドでした。サマーソニックではこれまでに3度ヘッドライナーを務めています。2006年には出演の前日に単独公演も行い、2009年にも3日間開催のうち中日のヘッドライナーとして登場。2013年にも4年ぶりの出演を果たしました。

その2013年以来、日本での公演は長く途絶えます。チェスター・ベニントンの死とバンドの活動休止を挟み、次の来日が実現したのは2025年2月11日・12日のさいたまスーパーアリーナ公演でした。12年ぶり、そして新体制になってから初めての日本公演です。

この2公演は「From Zero World Tour」の一環でした。同ツアーでは2025年にウェンブリー・スタジアムでの初公演も行われており、再始動後のバンドがどの規模まで戻ってきたかが分かる内容になっています。

チェスター・ベニントンの死と、7年の沈黙

2017年7月20日、チェスター・ベニントンが自ら命を絶ちました。『One More Light』の発表から2か月後のことです。彼は生前から、うつや依存症、幼少期の経験について繰り返し語ってきました。彼の歌が多くの人に届いたのは、その痛みが演技ではなかったからでもあります。

批判の多かった『One More Light』は、この日を境に受け取られ方が変わりました。「灯がひとつ消えても誰も気にしないと言うけれど、私は気にする」という表題曲の歌詞は、彼自身への言葉として読み直されるようになりました。

バンドは以降7年間、新しい作品を出しませんでした。マイク・シノダはソロ作を発表し、20周年記念盤などの企画は続きましたが、バンドとしての活動は止まったままでした。そして2024年9月5日、配信イベントで新体制が発表されます。エミリー・アームストロングを迎えるという選択には歓迎と戸惑いの両方が寄せられましたが、バンドは活動を再開し、アルバムとワールドツアーをやり切りました。

まとめ|まずはこの3曲から

リンキン・パークは、2000年代のロックを代表するバンドでありながら、その型に自分から見切りをつけて動き続けたバンドです。デビュー作の完成度と、その後の変化の落差。どちらもこのバンドの本質だといえます。

これから聴き始めるなら、まずは「In The End」「Numb」「What I’ve Done」の3曲から。ニューメタル期の設計、その完成形、そして脱皮後の姿が、それぞれ1曲でつかめます。ここが引っかかったなら「Crawling」「The Emptiness Machine」まで進んでみてください。

アルバムを1枚選ぶなら、まずは『Hybrid Theory』。37分に無駄がなく、なぜこのバンドが世界を取ったのかが分かります。代表曲の密度なら『Meteora』、変化のあとの姿を知りたいなら『Minutes to Midnight』、いまのバンドを知るなら『From Zero』が向いています。