Coldplay(コールドプレイ)は、ロンドン出身の4人組ロックバンドです。2000年のデビューから20年以上にわたって世界の第一線に立ち続け、いまではスタジアムを埋める規模のバンドとして、ロックの枠を超えたポップアイコンになっています。
「Yellow」の素朴なギター、「Clocks」のピアノリフ、「Viva la Vida」の弦楽器、「Fix You」の大合唱。彼らの曲はどれも「泣ける」寸前でとどまる絶妙な高揚感を持っていて、それが世界中の人に刺さり続けています。近年は宇宙をテーマにしたポップな路線に舵を切り、BTSとのコラボでも話題になりました。
この記事では、Coldplayがどんなバンドなのかを整理したうえで、10枚のスタジオアルバムを発表順にたどりながら、それぞれの代表曲を1曲ずつ紹介していきます。ヒット曲は知っているけれどアルバムは通して聴いたことがない、という方にこそおすすめの内容です。
Coldplay(コールドプレイ)とは?
ロンドンの大学で出会った4人
Coldplayは1997年、ロンドンで結成されました。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)の学生寮で出会ったクリス・マーティンとジョニー・バックランドが中心となり、ガイ・ベリーマン、ウィル・チャンピオンが加わって現在の4人が揃います。デビュー以来メンバーの変更が一度もない、という点も彼らの特徴です。
2000年のデビューアルバム『Parachutes』は、当時のイギリスで台頭していた「内省的で静かなギターロック」の代表作となり、シングル「Yellow」が世界的にヒット。その後2枚目、3枚目とスケールを拡大し、4枚目の『Viva la Vida or Death and All His Friends』でスタジアムバンドの地位を確立しました。
音楽的な核にあるのは、クリス・マーティンの書く「開けたメロディ」です。マイナーな響きから始まってサビで一気に空が広がるような展開、ファルセットの多用、そして誰でも一緒に歌える単純なフレーズ。この設計が、大会場での一体感を生む仕組みになっています。
もうひとつ重要なのが、変化を恐れない姿勢です。アコースティックな初期、ブライアン・イーノを迎えた実験期、EDMを取り込んだ中期、マックス・マーティンと組んだポップ路線の近年——アルバムごとに違う顔を見せてきました。「もうロックバンドではない」という批判を受けながらも売れ続けているのは、この柔軟さがあってこそです。
近年は環境問題への取り組みでも知られ、ツアーの電力を再生可能エネルギーでまわす仕組みや、リサイクル素材によるCD・レコードの製造など、大規模ツアーの環境負荷を下げる試みを続けています。
メンバー
| ボーカル・ピアノ | クリス・マーティン |
| ギター | ジョニー・バックランド |
| ベース | ガイ・ベリーマン |
| ドラム | ウィル・チャンピオン |
| マネージャー(“5人目のメンバー”) | フィル・ハーヴェイ |
クレジット上、楽曲の権利は4人の共同名義になっており、収入も等分されているといわれています。結成から一度も脱退者を出していない安定した関係が、20年以上の活動を支えてきました。マネージャーのフィル・ハーヴェイは公式に「5人目のメンバー」として扱われています。
数字で見るColdplay
全世界での総セールスは1億6,000万枚以上。発表したスタジオアルバムは、『Parachutes』以降ほぼすべてが全英アルバムチャートで1位を獲得しています。
グラミー賞では、最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバムを2度受賞。さらに「Clocks」で最優秀レコード賞、「Viva la Vida」で最優秀楽曲賞、『Viva la Vida or Death and All His Friends』で最優秀ロック・アルバムを受賞しています。
ライブバンドとしての規模も圧倒的で、2016年2月にはスーパーボウルのハーフタイムショーにビヨンセ、ブルーノ・マーズとともに出演。2022年から続いた「Music of the Spheres World Tour」は、バンドによるツアーとして史上初めて興行収入10億ドルを突破し、動員数でも史上最多を記録しました。
Coldplayのおすすめ曲・アルバム
それでは、デビューアルバムから順番におすすめの曲を紹介していきます。
1st Album『Parachutes』(2000年)
2000年7月10日リリースのデビューアルバム。全英1位、全米では51位ながら、じわじわと売れ続けて全世界で1,300万枚以上を売り上げました。2002年のグラミー賞で最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバムを受賞しています。
音数が少なく、全体に静かで内向きな1枚。後のスタジアム仕様のサウンドとはまったく違い、深夜に部屋で聴くのがいちばん似合う作品です。それでも、メロディの良さと声の伸びは最初から完成していました。
『Yellow』
バンドの名前を世界に広めた曲。全英4位、全米48位を記録し、いまもColdplayの代表曲として真っ先に挙げられます。にじむようなギターの音色と、「君のために星を見た」という素朴な言葉だけで成立してしまう1曲です。
ミュージックビデオは、雨上がりの海辺をクリス・マーティンが歌いながら歩くだけのワンカット映像。演出をほとんど排したその潔さも含めて、この曲の代名詞になりました。まずここから聴くのが間違いありません。
『Trouble』
全英10位。ピアノのフレーズが繰り返されるなかで、後悔と申し訳なさを絞り出すように歌う曲です。
「Yellow」の優しさとは対になる、初期Coldplayの陰の部分を代表する1曲。クリス・マーティンのピアノ弾き語りの魅力が最初に発揮された曲でもあります。
収録曲
- Don't Panic
- Shiver
- Spies
- Sparks
- Yellow
- Trouble
- Parachutes
- High Speed
- We Never Change
- Everything's Not Lost
2nd Album『A Rush of Blood to the Head』(2002年)
2002年8月リリース。全英1位、全米5位、全世界で1,700万枚以上という、キャリアで最も売れたアルバムです。2003年のグラミー賞で最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバムを2年連続で受賞しました。
デビュー作の静けさを保ちながら、音のスケールが一段大きくなった1枚。ピアノとギターの重ね方に立体感が出て、「大会場で鳴らすColdplay」の原型がここで完成しました。名曲の密度で選ぶなら、これが最高傑作という声も多い作品です。
『In My Place』
全英2位を記録した先行シングル。ドラムのフィルインから始まり、ジョニー・バックランドの高い音のギターフレーズが全体を引っ張ります。
2作目の制作が難航し、バンドが行き詰まっていた時期に生まれた曲で、クリス・マーティンはこの曲があったからバンドを続けられたと語っています。ライブでも長く重要な位置を占めてきた1曲です。
『The Scientist』
全英10位。ピアノだけで始まり、「最初からやり直したい」と繰り返す、Coldplay屈指のバラードです。
ミュージックビデオは、映像全体が逆再生になっているという有名な作品。クリス・マーティンは逆再生で自然に見えるよう、歌詞を逆から歌う練習を1カ月以上続けたといわれています。曲のテーマである「巻き戻したい」という願いが、そのまま映像の仕掛けになっています。
『Clocks』
全英9位、全米29位。そして2004年のグラミー賞で最優秀レコード賞を受賞した、バンドの評価を決定づけた曲です。
下降しながら循環する有名なピアノリフは、一度聴けば忘れられません。CM、映画、スポーツ中継など、あらゆる場所で使われ続けており、「曲名は知らないけれどこのピアノは知っている」という人が世界中にいる1曲です。
収録曲
- Politik
- In My Place
- God Put a Smile upon Your Face
- The Scientist
- Clocks
- Daylight
- Green Eyes
- Warning Sign
- A Whisper
- A Rush of Blood to the Head
- Amsterdam
3rd Album『X&Y』(2005年)
2005年6月リリース。全英・全米ともに1位を獲得し、2005年の世界で最も売れたアルバムになりました。
シンセサイザーとリバーブを大量に使い、音を巨大に膨らませた1枚。U2やニュー・オーダーの影響が指摘されることも多く、賛否は分かれますが、「スタジアムで鳴らすための音」を突き詰めた結果としては筋が通っています。名曲「Fix You」が入っているという点だけでも、外せないアルバムです。
『Speed of Sound』
全英2位、全米8位を記録した先行シングル。刻むピアノと打ち込みのようなドラムが疾走する、アルバムの方向性を示した曲です。
「Clocks」の後継として作られた面もあり、構造はよく似ています。それでもこの曲にしかない切迫感があり、当時のバンドの勢いをそのまま封じ込めた1曲になりました。
『Fix You』
全英4位。オルガンの独奏で静かに始まり、ギターが入り、最後は数万人の合唱になる——Coldplayのライブでもっとも感情が動く場面を担う曲です。
「僕が君を直してみせる」という歌詞は、身近な人の喪失に向けて書かれたものだと語られています。チャートの順位以上に愛され、災害や事件の後の追悼の場でも繰り返し歌われてきました。1曲だけ選ぶならこれ、という人も少なくありません。
収録曲
- Square One
- What If
- White Shadows
- Fix You
- Talk
- X&Y
- Speed of Sound
- A Message
- Low
- The Hardest Part
- Swallowed in the Sea
- Twisted Logic
4th Album『Viva la Vida or Death and All His Friends』(2008年)
2008年6月リリース。プロデューサーにブライアン・イーノを迎え、それまでの「泣きのギターロック」から大きく脱皮した転換作です。全英・全米ともに1位、2008年の世界で最も売れたアルバムとなり、2009年のグラミー賞で最優秀ロック・アルバムを受賞しました。
ジャケットに使われているのはドラクロワの絵画『民衆を導く自由の女神』。革命や死をモチーフにした歌詞、パイプオルガンや弦楽器、民族音楽的なリズムまで取り込んだ音作りで、アルバム全体が一続きの組曲のように流れていきます。
『Viva la Vida』
全英・全米ともに1位を獲得した、バンド最大のヒット曲。イギリス勢が英米のシングルチャートで同時に首位を取ったのは実に数十年ぶりという記録的な出来事でした。2009年のグラミー賞では最優秀楽曲賞を受賞しています。
ギターではなく弦楽器のリフが主役という、ロックバンドとしては異例の構成。王座を失った王の一人称で歌われる歌詞と、鐘の音のような高揚感が組み合わさり、スタジアム級のスケールを持ちながら文学的でもあるという稀有な曲になりました。
『Lost!』
パイプオルガンと手拍子だけでリズムを作る、実験的な構成の曲。全英54位と数字は地味ですが、アルバムのなかでは屈指の人気曲です。
ジェイ・Zを迎えた「Lost+」というバージョンも公開され、ヒップホップとの距離を縮めた最初の1曲にもなりました。「負けたわけじゃない、道に迷っただけだ」という一節が刺さります。
収録曲
- Life in Technicolor
- Cemeteries of London
- Lost!
- 42
- Lovers in Japan / Reign of Love
- Yes
- Viva la Vida
- Violet Hill
- Strawberry Swing
- Death and All His Friends
5th Album『Mylo Xyloto』(2011年)
2011年10月リリース(日本では世界に先がけて10月19日発売)。全英・全米ともに1位、全世界で800万枚以上を売り上げました。
ネオンカラーのグラフィティに彩られたアートワークが示すとおり、前作の重厚さから一転して極彩色のポップアルバムになっています。全体はゆるやかなコンセプト作で、曲間をつなぐ短いインストが物語のように挟まれる構成です。ライブでリストバンドを光らせる演出が始まったのも、このツアーからでした。
『Every Teardrop Is a Waterfall』
全英6位、全米14位。きらめくシンセと分厚いギターが最初から全開で鳴り続ける、アルバムの開幕を告げたシングルです。
「涙のひとつひとつが滝になる」という歌詞は、悲しみを否定せずに肯定へ反転させるColdplayらしい言い回し。フェスの序盤で演奏されると一気に空気が明るくなる曲です。
『Paradise』
全英1位、全米15位。弦楽器の主題と「パラダイス」の連呼だけで押し切る、シンプルきわまりない大ヒット曲です。
象の着ぐるみを着たメンバーが、自転車で南アフリカまで旅をするというミュージックビデオも有名。深刻な顔をしないポップさが前面に出た、この時期のバンドを象徴する1曲になりました。
『Princess of China』
リアーナを迎えたデュエット曲で、全英4位、全米20位。シンセの音圧とリアーナの声が真正面からぶつかる、当時としては大胆なコラボレーションでした。
東洋的な意匠を取り入れた映像も含め、賛否のあった曲ですが、バンドがポップスの中心へ踏み出す転換点になった1曲です。
収録曲
- Mylo Xyloto
- Hurts Like Heaven
- Paradise
- Charlie Brown
- Us Against the World
- M.M.I.X.
- Every Teardrop Is a Waterfall
- Major Minus
- U.F.O.
- Princess of China
- Up in Flames
- A Hopeful Transmission
- Don't Let It Break Your Heart
- Up with the Birds
6th Album『Ghost Stories』(2014年)
2014年5月19日リリース。全英・全米ともに1位を獲得しました。前作の派手さから振り子が完全に逆へ振れ、静かで内省的な作品になっています。
クリス・マーティンの離婚が影を落とした1枚で、テーマは「過去に起きたことをどう受け入れて前へ進むか」。ささやくようなボーカルと空間の広いアレンジが続き、アルバム全体が深夜のような静けさに包まれています。
『Magic』
全英10位、全米14位。輪郭のはっきりしたベースラインの上で、ほとんど息づかいのようなボーカルが漂う曲です。
スタジアムで大合唱させる曲を書けるバンドが、あえて音量を絞って作った1曲。派手さがないぶん、メロディの良さがむき出しになっています。
『A Sky Full of Stars』
全英9位、全米10位。共同プロデュースを手がけたのは、当時EDMシーンの中心にいたアヴィーチーです。
ピアノのコードから、EDM特有の光が炸裂するようなドロップへ展開する構成で、静かなアルバムのなかで1曲だけ極端に開放的。ロックバンドがダンスミュージックへ完全に踏み込んだ瞬間として、いまも語られる曲です。ライブでは紙吹雪が舞う定番曲になりました。
収録曲
- Always in My Head
- Magic
- Ink
- True Love
- Midnight
- Another's Arms
- Oceans
- A Sky Full of Stars
- O
7th Album『A Head Full of Dreams』(2015年)
2015年12月4日リリース。全英1位、全米2位。前作の暗さを抜けて、色彩と多幸感を取り戻した1枚です。ビヨンセ、ノエル・ギャラガー、トーヴ・ローらがゲスト参加しています。
このアルバムを携えたツアーは、彼らのキャリアで最大規模のものとなり、リストバンドと巨大なスクリーンを駆使した「祝祭としてのライブ」がここで完成しました。翌2016年のスーパーボウル出演も、この流れのなかでの出来事です。
『Adventure of a Lifetime』
全英7位、全米13位。ファンキーなギターのカッティングで踊らせる、Coldplayとしては異色のダンスナンバーです。
ミュージックビデオでは、メンバーが精巧なCGの類人猿として登場し、次第に音楽に目覚めて踊り出します。演奏中の動きをモーションキャプチャーで取り込んだ力作で、曲の高揚感と映像がぴたりと合っています。
『Hymn for the Weekend』
ビヨンセをフィーチャーした曲で、全英6位、全米25位。跳ねるリズムと開放的なコーラスが、週末の解放感をそのまま音にしています。
ミュージックビデオはインドのムンバイなどで撮影された色鮮やかな映像。文化の扱い方については議論も呼びましたが、この時期のバンドが世界各地の音や色を取り込もうとしていたことがよく分かる1曲です。
収録曲
- A Head Full of Dreams
- Birds
- Hymn for the Weekend
- Everglow
- Adventure of a Lifetime
- Fun
- Kaleidoscope
- Army of One
- Amazing Day
- Colour Spectrum
- Up&Up
8th Album『Everyday Life』(2019年)
2019年11月22日リリース。全英1位、全米7位。「Sunrise」と「Sunset」の2部構成という、彼らのなかでも最も実験的な作品です。
ゴスペル、アフロビート、室内楽、アラビア語の詠唱まで飛び交い、銃暴力や難民といった社会的なテーマも正面から扱っています。発売日には、ヨルダンの首都アンマンの遺跡で日の出と日没に合わせた2公演を行い、その様子を全世界に配信しました。ヒットを狙わない代わりに、バンドの表現の幅がもっとも広がった1枚です。
『Orphans』
全英27位。空襲で親を失った子どもの視点から書かれた重いテーマの曲ですが、サウンドは驚くほど明るく、大合唱できるサビを持っています。
深刻な内容を、あえて祝祭のようなメロディで歌う。この矛盾した設計こそがColdplayの真骨頂で、実験作のなかでもっとも彼ららしい1曲になりました。
収録曲(Sunrise)
- Sunrise
- Church
- Trouble in Town
- Broken
- Daddy
- WOTW / POTP
- Arabesque
- When I Need a Friend
収録曲(Sunset)
- Guns
- Orphans
- Èkó
- Cry Cry Cry
- Old Friends
- بنی آدم
- Champion of the World
- Everyday Life
9th Album『Music of the Spheres』(2021年)
2021年10月15日リリース。全英1位、全米4位。架空の惑星系「The Spheres」を舞台にしたコンセプトアルバムで、曲名に絵文字が使われるという遊びも取り入れられています。
プロデュースにマックス・マーティンを迎え、これまでで最もポップに振り切った1枚。「スター・ウォーズ」を観たクリス・マーティンが「宇宙の別の場所にいるミュージシャンはどんな音楽をやっているのだろう」と考えたことが出発点だといいます。10分超の大曲「Coloratura」まで収録され、振れ幅は相当に大きい作品です。
『Higher Power』
アルバムの先行シングルで、全英12位。80年代のシンセポップを思わせる軽やかなダンスチューンです。
初公開は、国際宇宙ステーションへの中継を交えた演出付き。アルバムのコンセプトを最初から前面に打ち出した、宣言のような1曲でした。
『My Universe』
BTSとのコラボレーション曲。ビルボードHot 100で初登場1位を獲得し、イギリスのグループとして史上初めて同チャートに初登場1位で登場した曲となりました(全英3位)。
英語と韓国語が交互に現れる構成で、「愛を邪魔する境界線などない」というテーマがそのまま曲の作り方に表れています。アジアのリスナーにとって、Coldplayをもっとも身近に感じた1曲かもしれません。
収録曲
- Music of the Spheres
- Higher Power
- Humankind
- Alien Choir
- Let Somebody Go
- Human Heart
- People of the Pride
- Biutyful
- Music of the Spheres II
- My Universe
- Infinity Sign
- Coloratura
10th Album『Moon Music』(2024年)
2024年10月4日リリース。前作『Music of the Spheres』の続編にあたる作品で、全英・全米ともに1位を獲得しました。
環境への配慮が製造まで徹底されており、CDは90%が再生ポリカーボネート、レコードは1枚あたり9本の再生PETボトルから作られています。これにより30トン以上の新規プラスチックの製造を回避したと発表されました。音楽性は前作の延長線上にある明るいポップで、円熟した4人の余裕が感じられます。
『feelslikeimfallinginlove』
全英16位のリードシングル。タイトルどおり、恋に落ちる瞬間の浮き足立った感じを、跳ねるビートとコーラスで表現した曲です。
デビューから20年以上経ってなお、これだけまっすぐなラブソングを照れずに書けるところがこのバンドの強さ。ライブでの合唱を明らかに想定した作りになっています。
『WE PRAY』
リル・シムズ、バーナ・ボーイ、エリヤナ、TINIという各地域を代表するアーティストを迎えた、多言語のアンセム。祈るように反復するサビが、ライブでの合唱を強く意識した作りになっています。
参加アーティストを差し替えた複数のバージョンが公開されているのも特徴で、TWICEを迎えたバージョンも発表されました。世界各地のリスナーに向けて曲そのものを開いていくという、近年のColdplayらしい試みです。
収録曲
- Moon Music
- feelslikeimfallinginlove
- We Pray
- Jupiter
- Good Feelings
- Alien Hits / Alien Radio
- iAAM
- Aeterna
- All My Love
- One World
日本との関わり|初来日はサマーソニック2000
Coldplayと日本の縁は、デビューした年から始まっています。初来日は2000年の「SUMMER SONIC ’00」。まだ『Parachutes』が世界的なヒットになる前の、無名に近い時期の出演でした。
以降もたびたび来日し、5枚目『Mylo Xyloto』は日本のみ世界より数日早い2011年10月19日に発売。4枚目の収録曲には「Lovers in Japan」という曲もあり、日本という土地が彼らの語彙のなかに入っていることがうかがえます。
直近の来日は2023年11月6日・7日の東京ドーム2公演。「Music of the Spheres World Tour」の日本公演で、2017年以来およそ6年ぶりの来日となりました。スペシャルゲストにはYOASOBIが起用され、リストバンドが客席いっぱいに光る演出が話題になりました。
近年はアジアのアーティストとの共作にも積極的で、BTSとの「My Universe」、TWICEを迎えた「WE PRAY」のバージョンなど、日本のリスナーにとっても接点の多いバンドになっています。
まとめ|まずはこの3曲から
Coldplayは、「静かな内省」から始まって「世界最大級の祝祭」までたどり着いたバンドです。作品ごとに音を変え続けてきたため、どの時期を好きになるかは人によってまったく違います。それだけ入口が多いバンドだといえます。
これから聴き始めるなら、まずは「Yellow」「Clocks」「Viva la Vida」の3曲から。初期の素朴さ、中期の完成度、後期のスケール感が、それぞれ1曲でつかめます。ここで「Fix You」まで進めば、彼らがなぜスタジアムを埋められるのかも分かるはずです。
アルバムを1枚選ぶなら、名曲の密度で『A Rush of Blood to the Head』、いまのColdplayを味わうなら『Music of the Spheres』。静かな夜には『Ghost Stories』を、というふうに、気分で選び分けられるのもこのバンドの良さです。


