2018年にヒットした洋楽をまとめました。
ドレイクがチャートを独占し、ラテン音楽が本格的にメインストリームへ流れ込み、エモラップという新しい潮流が生まれた年。いま振り返ると、2010年代の音楽が最後に大きく形を変えた1年でした。
POP、HIP HOP、R&B、エレクトロ、ロックまで、ジャンルを問わず幅広く紹介します。当時よく聴いていた人には懐かしく、知らない世代には発見があるはずです。
並び順はおおむねヒットの規模順です。1曲ずつ動画を載せているので、上から流していけばそのまま2018年のプレイリストとして使えます。気になった曲から聴いてみてください。
2018年の洋楽ヒット曲
Drake – God’s Plan
HIP HOP/RAP
一般人や学校に総額1億円相当を配るというミュージックビデオが大きな話題となりました。その話題性もあって全米シングルチャートで11週連続1位を獲得し、2018年のビルボード年間チャートでも堂々の1位に輝いています。
2018年のチャートを語るうえで、この曲を外すことはできません。
Maroon 5 – Girls Like You ft. Cardi B
POP/ROCK
年の後半を席巻した大ヒット曲。全米シングルチャートで7週連続1位を記録しました。
エレン・デジェネレス、ガル・ガドット、ミリー・ボビー・ブラウンなど、各界の著名な女性が次々に登場するミュージックビデオも話題に。2000年代初頭から活躍しているバンドですが、いまだにその人気は根強いですね。Maroon 5は私も大好きなバンドです。
Cardi B, Bad Bunny & J Balvin – I Like It
HIP HOP/RAP
ペット・ロドリゲスの往年のブーガルー『I Like It Like That』をサンプリングした、ラテントラップの大ヒット曲。
Bad BunnyとJ Balvinというラテン勢を迎えた構成で、全米シングルチャート1位を獲得。この後のラテン音楽ブームを先取りしていた1曲でもあります。
Drake – In My Feelings
HIP HOP
「キキ・チャレンジ」としてSNSで踊る動画が爆発的に広まり、そのまま全米シングルチャート10週連続1位という大ヒットになりました。
曲そのものよりも先に踊りが広まる、というSNS時代らしいヒットの仕方でした。
Post Malone – Better Now
HIP HOP/RAP
アルバム『beerbongs & bentleys』からのシングル。全米シングルチャート3位まで上昇し、長くチャートに居座り続けました。
別れた相手を思い切れない、という内容をまっすぐ歌う曲。ラッパーというよりシンガーとしてのポスト・マローンが前に出た1曲です。
Post Malone – Psycho ft. Ty Dolla $ign
HIP HOP/RAP
こちらも『beerbongs & bentleys』から。全米シングルチャート1位を獲得しました。
ゆったりしたビートに気だるいメロディが乗る、彼の得意なパターンです。
Travis Scott – SICKO MODE
HIP HOP/RAP
アルバム『ASTROWORLD』からの大ヒット曲。曲の途中で3回もビートが変わるという構造でありながら、全米シングルチャート1位を獲得しました。
ドレイクを迎えたこの曲以降、「1曲の途中で全部作り変える」手法が一気に広まった印象があります。2010年代後半のヒップホップを象徴する1曲です。
Childish Gambino – This Is America
HIP HOP
ドナルド・グローヴァーによる名義、チャイルディッシュ・ガンビーノの問題作。アメリカ社会の銃暴力と人種問題を真正面から扱った内容で、公開直後から世界中で議論を呼びました。
ミュージックビデオと合わせて観ることで意味が立ち上がる構成で、全米シングルチャート初登場1位を獲得。翌年のグラミー賞では、ラップ曲として初めて最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を同時に受賞しました。
XXXTENTACION – SAD!
HIP HOP
2018年6月に20歳で亡くなったラッパー、エックスエックスエックステンタシオンの代表曲。
死後に全米シングルチャート1位を獲得しました。ローファイで内向的なサウンドは、その後のエモラップの流れに大きな影響を与えています。
Juice WRLD – Lucid Dreams
HIP HOP
スティングの『Shape of My Heart』をサンプリングした、エモラップの代表曲。全米シングルチャート2位まで上昇しました。
ジュース・ワールドはこの曲で一躍スターになりましたが、2019年12月に21歳で急逝しています。
Ariana Grande – no tears left to cry
POP
アルバム『Sweetener』からの先行シングル。2017年のマンチェスターでのテロを経て発表された曲で、悲しみの先へ進もうとする内容になっています。
重力が狂った空間を歩き回るミュージックビデオも印象的。全米シングルチャート3位を記録しました。
Ariana Grande – thank u, next
POP
2018年11月にリリースされ、彼女にとって初の全米シングルチャート1位となった曲。前作『Sweetener』からわずか数か月での発表でした。
元恋人たちの名前を実名で挙げながら「ありがとう、次いこう」と歌い切る内容が痛快。90年代・00年代の映画をパロディにしたMVも大きな話題になりました。
Lady Gaga, Bradley Cooper – Shallow (A Star Is Born)
POP
映画『アリー/スター誕生』の主題歌としてヒットしました。レディー・ガガが主演を務めた作品で、共演のブラッドリー・クーパーとのデュエットです。
翌2019年のアカデミー賞では歌曲賞を受賞。グラミー賞でも最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞などを獲得しました。
Calvin Harris, Dua Lipa – One Kiss
Electro/Dance
ヒットメーカーのカルヴィン・ハリスと、当時勢いに乗っていたデュア・リパによるコラボ曲。
全英シングルチャートで8週連続1位を記録し、この年のイギリスで最も売れた曲になりました。90年代のハウスを思わせるピアノのループが心地よい1曲です。
Zedd, Maren Morris, Grey – The Middle
Electro/Dance
EDMとカントリーポップを掛け合わせた1曲。全米シングルチャート5位まで上昇し、年間を通してロングヒットとなりました。
マレン・モリスはカントリー畑のシンガーで、この曲でポップスのリスナーにも広く知られるようになりました。
Marshmello ft. Bastille – Happier
Electro/Dance
明るいトラックに切ない歌詞を乗せる、マシュメロらしい1曲。米国ビルボード、UKチャートで共に最高位2位にランクインしました。
バスティルはイギリスのロックバンドで、『Pompeii』などのヒット曲があります。
Marshmello & Anne-Marie – FRIENDS
POP
「友達のままでいて」とはっきり伝える内容の曲で、MVもコミカルな作りになっています。
アン・マリーはイギリスのアーティストで、クリーン・バンディットとの『Rockabye』が有名です。
Clean Bandit – Solo feat. Demi Lovato
Electro/Dance
Demi Lovato(デミ・ロヴァート)をフィーチャーした楽曲です。テンポが良く、デミ・ロヴァートのボーカルもいい感じ。
全英シングルチャート1位を獲得し、クリーン・バンディットにとって3曲連続の首位となりました。
DJ Snake – Taki Taki ft. Selena Gomez, Ozuna, Cardi B
Electro/Dance
セレーナ・ゴメス、オズナ、カーディ・Bという豪華な顔ぶれを迎えたラテン寄りのダンストラック。
スペイン語と英語が入り混じる構成で、世界中のクラブで鳴っていました。
LSD – Thunderclouds ft. Sia, Diplo, Labrinth
POP
LSDはLabrinth、Sia、Diploの3人によるユニット。頭文字を取った名義です。
それぞれが第一線で活躍する三者が組んだだけあって、他にない手触りの曲になっています。日本ではCMでの起用もあり、耳にした人が多いはずです。
Bruno Mars – Finesse (Remix) [Feat. Cardi B]
R&B/HIP HOP
懐かしいニュージャックスイングが感じられて最高です。ダンスもカッコいい。
90年代のバラエティ番組『In Living Color』を丸ごと再現したミュージックビデオも話題になりました。カーディ・Bを迎えたリミックス版で全米シングルチャート3位まで上昇しています。
Ella Mai – Boo’d Up
R&B
イギリス出身のシンガー、エラ・メイの出世作。2017年にリリースされた曲が翌2018年になってじわじわと広がり、全米シングルチャート5位まで上昇しました。
90年代のR&Bを思わせる作りで、この年のR&Bを代表する1曲になっています。
Kendrick Lamar, SZA – All The Stars
HIP HOP/R&B
映画『ブラックパンサー』のサウンドトラックからのシングル。ケンドリック・ラマーとSZAという、当時最も勢いのあった二人の共演です。
アカデミー賞歌曲賞にノミネートされ、MTVビデオ・ミュージック・アワードでは最優秀視覚効果賞を受賞しました。
Halsey – Without Me
POP
2018年10月リリース。ホールジーにとって初の全米シングルチャート1位となった曲です。
尽くした相手に裏切られた気持ちを歌う内容で、抑えた歌い方から徐々に感情が漏れていく構成が見事。翌年にかけて長くチャートに残り続けました。
Panic! At The Disco – High Hopes
POP ROCK
アルバム『Pray for the Wicked』からのシングル。ホーンを前面に出した高揚感のあるアレンジで、ロックバンドの曲としては異例のロングヒットになりました。
ビルの壁面を垂直に歩きながら歌うMVも印象的です。
5 Seconds Of Summer – Youngblood
POP ROCK
オーストラリア出身のバンド、5セカンズ・オブ・サマーの代表曲。
ギターロックから一歩踏み出したシンセ主体のサウンドで、バンドの立ち位置を大きく変えた1曲になりました。
Dua Lipa – IDGAF
POP
デビューアルバム『Dua Lipa』からのシングルで、イギリスチャートで最高位3位を記録しました。
過去の自分と現在の自分が向かい合って踊るミュージックビデオも見応えがあります。
2018年の洋楽シーン総括
2018年はDrake(ドレイク)が異様に強かった年でした。アルバム『Scorpion』は全米アルバムチャート1位のほか、89の国と地域でiTunes 1位を獲得。1日および1週間で最もストリーミングされたアルバムという記録も打ち立てました。
さらにビルボードのシングルチャートTOP10に自身の曲が7曲同時にランクインするという異常な現象も起きています。年間チャートでも『God’s Plan』が1位に輝きました。
年の後半に強かったのがMaroon 5の『Girls Like You ft. Cardi B』。2000年代初頭から活躍しているバンドですが、いまだにその人気は根強いですね。Maroon 5は私も大好きなバンドです。
もうひとつ大きかったのがラテン音楽の躍進です。Cardi Bの『I Like It』やDJ Snakeの『Taki Taki』のように、スペイン語が入った曲が当たり前のようにチャート上位に並ぶようになりました。
そしてヒップホップでは、XXXTENTACIONやJuice WRLDといった若いラッパーによる「エモラップ」が台頭。内向的で生々しい歌詞と、ローファイなサウンド。ここから2020年代のヒップホップへとつながっていきます。
チャート以外で最も語られたのは、間違いなくChildish Gambinoの『This Is America』でしょう。ミュージックビデオが社会的な議論を巻き起こし、音楽が世の中に何を投げかけられるのかを改めて示した1曲でした。
こうして並べてみると、2018年は「チャートを制したのはヒップホップ、話題をさらったのもヒップホップ」という年だったことが分かります。ロックやEDMが主役だった数年前とは、景色がすっかり変わっていました。
この年に出てきた曲は、いまも配信のプレイリストで見かけるものばかりです。まとめて聴き返すと、2010年代がどこへ向かっていたのかがよく見えてきます。

















